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平屋と二階建てはどちらが高いか徹底比較|固定資産税お役立ち情報

固定資産税
家づくりを考える際に、建物の間取りやデザインと同じくらい気になるのが「お金の話」。
中でも、毎年かかってくる固定資産税は見逃せないポイントです。「平屋の住まいに憧れるけど、税金が高くなっちゃうの?」
「二階建てにしたほうが税金が安くなるってホント?」
そんな疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。実は、建物の高さだけでなく土地の使い方や面積、構造の違いが固定資産税の金額に大きく関わってくるんです。
だからこそ、家を建てる前に税金の仕組みを把握し、考慮しながら計画を立てることが大切。
この記事では、平屋と二階建てそれぞれの固定資産税の差を具体的なシミュレーションを交えてわかりやすく解説します。
さらに、税金を抑えるためにできる工夫や制度の活用方法もご紹介。「後からこんなに税金かかるなんて知らなかった…」と後悔しないためにも、ぜひ最後までチェックしてみてください!

今回の記事のポイント
✔︎固定資産税を抑えるための工夫や節税制度が分かる
✔︎固定資産税の計算方法と評価の仕組みが分かる
✔︎建てる前に知っておきたい注意点と申請のコツが分かる

初稿:2025/5/24

目次

平屋と二階建ての固定資産税の違いとは

固定資産税は、家を建てたあとの「見えにくい出費」として、多くの人が後から驚くポイントです。
特に平屋と二階建てでは、見た目は同じような広さでも「課税の仕組み」が違うことで税額に差が生じることがあります。
この章では、まず基本的な固定資産税の仕組みを理解し、そのうえでなぜ平屋と二階建てに差が出るのか、構造や土地利用の違いから紐解いていきます。

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固定資産税の計算式と仕組み

「固定資産税ってどうやって決まるの?」という疑問を持つ人は少なくありません。実は、計算式自体はとてもシンプルです。

固定資産税 = 課税標準額 × 1.4%(標準税率)

この「課税標準額」は、土地と建物それぞれで評価されます。
土地の場合は公示地価や路線価をもとに「評価額」が決まり、建物は「再建築価格」に経年劣化の補正を加えた金額で算出されます。

たとえば、同じ100㎡の土地でもエリアによって地価が異なれば、評価額にも差が出ます。
建物は構造(木造・鉄骨・RCなど)や仕様(オプション設備の有無)によって評価額が変動します。

ここでのポイントは、「延べ床面積」や「使っている材料」「築年数」など、家の“スペック”が税額に直結しているということ。
また、新築住宅には3年間、または長期優良住宅であれば5年間の「固定資産税1/2軽減措置」もあるため、家を建てる前の設計段階から意識しておくと大きな差につながります。

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平屋と二階建てで評価額が変わる理由

同じ30坪(約100㎡)の家でも、平屋と二階建てでは固定資産税の金額が変わる理由は「構造の違い」にあります。

平屋はすべての部屋を1階に配置するため、どうしても広い土地が必要なります。
その結果、購入する土地が大きくなり、その分土地の固定資産税評価額も高くなるのです。

また、建物自体の構造にも違いがあります。
平屋は1階だけで完結するため、基礎や屋根が広くなるのが一般的です。この基礎や屋根面積が評価額を押し上げ、税金にも影響します。

一方、二階建ては1階と2階に空間を分けて建てられるので、敷地面積を抑えながら同じ延床面積を確保できます。
そのため、土地の取得費用や評価額が低くなり、税金も軽減されやすくなるというわけです。

つまり、構造的にコンパクトな設計が可能な二階建ての方が、税制上は有利になるケースが多いということです。

平屋と二階建て 固定資産税

建物の構造と仕様が税額に与える影響

固定資産税の評価では、単に面積だけでなく「どんな家か」が問われます。

たとえば、同じ平屋でも木造と鉄筋コンクリート造では評価額に大きな差が出ます。

理由は、再建築価格(その建物をもう一度建てるのにかかる費用)が高いほど、評価額も高くなる仕組みになっているからです。
鉄骨造やRC造は建築コストが高く、それがそのまま税額に跳ね返ります。

また、内装や設備の選び方にも注意が必要です。高級なキッチンやお風呂、自然素材をふんだんに使った壁や床材など、標準仕様を大きく超えるグレードアップは、評価を押し上げてしまいます。

「せっかくおしゃれで魅力的な家にしたのに、税金まで高くなるなんて…」
そう思う前に、初期コスト・快適さ・税金のバランスを見て設計することが重要です。

逆に言えば、コストを抑えながらも快適性を維持する“ちょうどいい設計”を目指せば、税金も手頃に抑えることができるということですね。

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平屋の固定資産税が高くなりやすい訳

「平屋は固定資産税が高いらしい」と耳にしたことがある人も多いかもしれません。
その理由は、構造上どうしても広い土地や大きな基礎・屋根が必要になるからです。

固定資産税は「面積が広い=評価額が高くなる」という考え方が基本なので、家そのものが大きくなりがちな平屋は、税額も上がりやすくなります。
ここでは、平屋にかかる税金の負担が大きくなる背景を、具体的な構造要因からひも解いていきます。

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平屋はなぜ広い土地が必要なのか?

平屋を建てる場合、2階建てに比べて同じ床面積を1階だけで確保する必要があります。
たとえば延べ床30坪の家を建てるなら、平屋は「建築面積=30坪」、一方二階建てなら「1階15坪+2階15坪」で済みます。

この違いが、土地にかかる固定資産税に大きく影響します。

建ぺい率や容積率といった制限もあるため、平屋を建てるにはより広い敷地を必要とするケースが多く、土地の評価額=固定資産税評価額も高くなりやすいのです。

「同じ延べ床面積なのに、土地代が約1.5倍かかるって本当?」
→ はい、本当です。特に都市部や地価の高いエリアでは、この差が顕著です。

また、住宅用地の一部にだけ適用される「小規模住宅用地の特例(課税評価額1/6)」も、土地が広すぎると対象外の面積が出てきてしまうこともあります。

つまり、広い土地が前提になる平屋は、土地の購入価格・評価額の両方で不利になりやすいのです。

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屋根・基礎面積の違いが税額にどう影響する?

平屋と二階建ての大きな構造的違いは「屋根」と「基礎」の面積です。

実はこの2つ、建物の固定資産税評価額を左右する重要ポイントなんです。

どういうことかというと――
建物の固定資産評価額は、「再建築価格」をベースにしており、この再建築価格は屋根・基礎などの面積が広い=コストがかかる=評価が上がるという構図になります。

例えば、30坪の延べ床面積をもつ家を想定したとき、

  • 平屋なら基礎も屋根も30坪分
  • 二階建てなら基礎と屋根はそれぞれ15坪程度

となり、単純に2倍の材料・施工費がかかる部分があるということになります。

つまり、「家そのものが広い=建築費が高い=固定資産評価額が高い=税金が高い」
この連鎖が、平屋の評価額を押し上げてしまうわけです。

さらに、基礎や屋根は使用する材料も評価対象です。高級屋根材や地中基礎などを採用した場合は、より税額に反映されやすくなります。

税額を抑えたいなら、設計段階で基礎・屋根の構造や材質にも目を向けることが大切です。

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二階建ての固定資産税が安くなりやすい理由

二階建て住宅は、同じ床面積でもコンパクトに土地を使えるという点が大きなメリットです。
土地が狭くて済むということは、土地の評価額が下がり、結果として固定資産税も安くなる傾向にあります。

また、屋根や基礎の面積が少ないぶん、建物の評価額も下がりやすくなります。
ここでは、その「安くなる理由」と「賢い設計のコツ」を具体的に見ていきましょう。

延べ床面積が同じでも土地の広さで差が出る?

「30坪の家を建てたい」と思ったとき、平屋なら30坪の土地が必要ですが、二階建てなら15坪×2階で済むため、必要な土地の面積がぐっと少なくて済みます。

この差は、固定資産税の「土地の評価額」に直結します。

土地の固定資産税評価額は、

  路線価 × 面積 × 税率(通常1.4%)

という形で決まるため、面積が狭い=評価額が下がる=税額も下がる、というわけです。

例えば、同じエリアで同じ延べ床30坪の家を建てるとします。

  • 平屋:土地が約170㎡必要 → 評価額も大きい
  • 二階建て:土地は約100㎡でOK → 評価額が抑えられる

「建物は同じなのに、土地の税金で年間数万円の差が出ることもある」
このような事例もあるので、長期的なランニングコストとしては大きな差になります。

もちろん、地価の高い都市部ではこの差がさらに大きくなります。
少しでも土地をコンパクトに抑えられる二階建ては、税制面でかなり有利になるといえるでしょう。

平屋と二階建て 固定資産税

二階建てで税額を抑える設計のコツ

固定資産税を抑えたいなら、ただ「二階建てにする」だけでなく、設計の工夫が大切です。
税額に影響を与えるポイントを意識して設計すれば、見た目も快適さも損なわずに、しっかり節税できます。

たとえば次のような工夫が有効です。

税額を抑えるための設計ポイント:

  • 総2階にする→ 屋根や基礎の面積が最小限になり、評価額が下がる
  • 間取りをシンプルにする→ 壁や柱が少なくなり、建築コストと評価額が減る
  • 高級なオプション設備は控える→ 特に浴室・キッチン・外壁の仕様は評価に影響しやすい
  • ロフトや中二階を活用する→ 固定資産評価に含まれない空間として使えることもある
  • 認定長期優良住宅を検討する→ 固定資産税の軽減期間が5年間に延長される

「見た目の豪華さ」より「将来の負担」を優先した設計が、長い目で見たときの“得する家づくり”につながります。

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固定資産税の比較シミュレーション

「結局どれくらい違うの?」というのが、ほとんどの人の本音ですよね。
そこで、延べ床面積30坪(約100㎡)の住宅を建てた場合に、平屋と二階建てでどれほど固定資産税に差が出るのかを、具体的な数値で比較シミュレーションしてみましょう。

今回のシミュレーションでは、土地の地価や建物の再建築価格をもとに、一般的な条件で計算しています。
どちらの家も同じ床面積・同じ地域を前提とした、公平な条件での試算です。

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平屋の税額シミュレーション(30坪)

まずは平屋の場合から見ていきましょう。
30坪の延べ床面積を1階でまかなうため、土地も建物も大きくなります。

シミュレーション条件

  • 延べ床面積:30坪(約100㎡)
  • 土地面積:170㎡(建ぺい率50%想定)
  • 土地単価:27万円/㎡(地価想定)
  • 建物再建築価格:3,000万円
  • 建物構造:木造
  • 評価方法:標準評価+軽減措置あり(1/2減額)

固定資産税の内訳(平屋)

区分 評価額 税率 税額(軽減後
土地 約3,213万円(評価額)×1/6 1.4% 約7.5万円
建物 3,000万円×50%×1/2(軽減) 1.4% 約10.5万円
合計 約18万円

平屋は基礎・屋根の面積が広いため再建築価格も高く、それに応じて評価額もアップします。
土地も広く必要なため、税額全体が高くなる傾向があります。

二階建ての税額シミュレーション(30坪)

次に二階建ての場合です。同じ30坪の床面積でも、土地と建物のサイズが抑えられるため、全体の税額もコンパクトに。

シミュレーション条件

  • 延べ床面積:30坪(1階15坪+2階15坪)
  • 土地面積:100㎡(建ぺい率50%想定)
  • 土地単価:27万円/㎡(地価想定)
  • 建物再建築価格:2,700万円(平屋より安く想定)
  • 建物構造:木造
  • 評価方法:標準評価+軽減措置あり(1/2減額)

固定資産税の内訳(二階建て)

区分 評価額 税率 税額(軽減後)
土地 約1,890万円(評価額)×1/6 1.4% 約4.41万円
建物 2,700万円×50%×1/2(軽減) 1.4% 約9.45万円
合計 約13.86万円

平屋に比べて、土地の広さも建物コストも抑えられるため、税額もおよそ年間4万円以上お得になります。
10年で40万円、30年で120万円…と考えると、けっこうな差ですよね。

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固定資産税を抑える工夫と節税対策

固定資産税は「払わなきゃいけないもの」ではありますが、ちょっとした工夫や制度を活用することで、確実に抑えることが可能なコストでもあります。
特に新築住宅の場合、軽減措置や長期優良住宅など、知っているだけで税額が数年分違ってくることも。

ここでは、家を建てる前にできる具体的な節税対策や、見落とされがちなオプション設備の注意点について解説していきます。

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軽減措置の条件と申請方法

新築住宅には「固定資産税の1/2軽減措置」がありますが、「気づかず申請していなかった…」というケースも意外と多いです。
まずは適用条件をしっかり確認しておきましょう。

固定資産税軽減措置の主な条件:

  • 新築住宅であること(賃貸ではない)
  • 延べ床面積が50㎡以上280㎡以下であること
  • 居住用部分の床面積が1/2以上あること
  • 新築から1年以内に申請すること

れらの条件を満たしていれば、建物部分の固定資産税が3年間(長期優良住宅なら5年間)1/2に減額されます。

申請は、家を建てた翌年の1月31日までに、各市町村の役場で「固定資産税減額申告書(新築住宅)」を提出するだけ。
土地の特例「小規模住宅用地(200㎡以下の部分が1/6課税)」も自動で適用される自治体が多いですが、気になる場合は確認を。

つまり、「知っているかどうか」で納税額に数万円の差が出る、知識武装こそが最大の節税術です!

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長期優良住宅の認定でどれくらい安くなる?

「どうせ家を建てるなら、税金も長く安くしたい」
そんな人には、長期優良住宅の認定をおすすめします。

これは、耐震性・省エネ性・劣化対策など、長期間にわたり良好な状態で住み続けられる性能がある住宅に与えられる認定制度です。

この認定を受けることで、固定資産税の軽減期間が3年 → 5年に延長されるというメリットがあります。
年間9万円程度の建物税額だとすると、2年分で約18万円の節税効果に。

さらに、認定住宅は他にも

  • 住宅ローン控除が有利に使える
  • 地震保険の割引
  • 将来売却時の評価が高くなる
    などの恩恵があります。

申請には、認定を受けられる工務店での施工や、設計図・性能証明の提出等が必要ですが、それに見合うメリットは十分あります。

「初期コストはかかるけど、長期で見ればトク」
そんな視点で家づくりを考えたい方には、強くおすすめできる制度です。

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オプション設備が税額に影響するケース

実は、固定資産税の評価額には家の設備や内装のグレードも反映されるってご存じでしたか?

たとえば、

  • 高級システムキッチンや浴槽
  • タンクレストイレや自動開閉式のドア
  • 無垢材フローリングや塗り壁などの自然素材

こういった設備や仕様を採用すると、建物の再建築価格が上がり、それに伴って評価額→税金もアップするのです。

「これが好きだから付けたい!」という希望はすごく大事。
ただし、“全部盛り”にすると固定資産税もどーんと増えるという事実は覚えておきたいところです。

もし費用を抑えたいなら、

  • 水回りは標準仕様にする
  • 見た目を左右しない部分は無理にグレードアップしない
  • 一部はDIYや後付けリフォームに回す

など、設計段階での取捨選択が有効です。

「家にかけるお金」と「毎年払い続ける税金」、その両方を考えておくことで、バランスのいい家づくりができますよ。

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平屋と二階建て、税金も見て選ぶ家づくりを

平屋と二階建て――どちらを選ぶかは、間取りやライフスタイルだけでなく、「税金のかかり方」も大きな判断材料になります。
特に固定資産税は、一度建てたあとに毎年発生し続けるコスト。その違いは見過ごせません。

この記事では、固定資産税の計算の仕組みを踏まえながら、平屋が高くなりやすい理由や、二階建てが節税に有利な構造的特徴を具体的にご紹介しました。
加えて、建物や土地の評価額を左右する設計ポイント、そして新築時に使える軽減措置や長期優良住宅制度など、知っていると得する節税のコツもお伝えしました。

「せっかく憧れの一戸建てを建てたのに、後から思わぬ税金がかかって失敗した・・・」とならないためには、家づくりの段階でこうしたランニングコストまで見通しておくことが大切です。
見た目や機能性だけでなく、将来まで安心できる“コスト設計”としての住まい選びを心がけてください。

あなたの理想の暮らしが、快適で納得のいくものになりますように。

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